映像コンテストの受賞作品が決定いたしました

「東北映像フェスティバル2022」映像コンテストの受賞作品が決定いたしました。

たくさんのご応募、ありがとうございました。


東北映像フェスティバル2022「映像コンテスト」

■ 2022/06/06 「東北映像フェスティバル2022 映像コンテスト」受賞者決定!

【 番組部門 】

東北総合通信局長賞

  作品 TUYローカル魂 アマダブラム ~怪峰に惚れた男たち~
  応募者 株式会社プライド・トゥ

ヒマラヤ山脈で最も美しくエベレストより厳しいというアマダブラム。死者の絶えない怪峰に山形県在住の登山家・飯澤政人と岩手県出身の登山愛好家・赤坂純友が挑戦を思い立つ。コロナ禍の今こそ挑戦の意味をドキュメンタリーにして伝えたいと飯澤から制作依頼を受けた。感染者が減った昨秋ネパールへ、標高 4000m超のベースキャンプまで1カ月間同行取材、決死のアタックを飯澤が撮影した。極限の世界に挑む男たちの内面に迫った。

寸 評

このドキュメンタリーをみて、「何故、山に登るのか」を深く味わった。迫真の映像で、二人と共に山を登っているような緊張が走る。二人の喧嘩のあと、「ヒマラヤの偉大な山の前で人は皆同じ」という言葉が印象的であった。山頂に到達した飯沢が振り返ると、断念させ残してきた赤坂の姿。思わず涙してしまった。ドキュメンタリーにとって、最高のクライマックスだ。
命の危険ある場所であってもその場所に実際に行き、自然界の怖さや美しさを自分自身で確かめたいと何故思うのか、その内面に迫ったと概要にある通り、自分自身や同志ともぶつかり合いながら、辛さも感動も共有して行く様に引き込まれて拝見しました。 ただ、作品概要にある、コロナ禍の今こそ挑戦する意味をドキュメンタリーにして伝えたいという飯澤氏の思いがあっての今回の作品制作であることは番組の中で触れていないのは何故でしょうか。その思いを知った上で作品をみるのと知らずにみるのとでは、もしかするとこの挑戦への見方が変わる人もいるかもしれないと思うのですが、そこは気にしなくて良いのか知りたいと思いました。

優秀賞

  作品 日本のチカラ「リアル THE 島暮らし ~山形の離島・飛島(とびしま)~」
  応募者 東北映音株式会社

日本海に浮かぶ山形県唯一の離島・飛島。人口約170 人、平均年齢 71歳。そんな過疎の島に若者たちが移住し8年前、会社を立ち上げました。観光業、サービス業、水道管理などを生業としています。現在メンバーは8人で、平均年齢は 33 歳。今も飛島の人口減少に歯止めは掛かっていません。それでも彼らは前に進みます。SNSで飛島の魅力を発信する企画も始めました。飛島に魅了された若者たち。島暮らしのリアルを見つめます。

寸 評

目指すべきは、観光ではなく、過疎地が生き残る術、「とびしま」の10年後、20年後を語る番組ではないでしょうか。この番組に過疎の解決策を求めようとは思いませんが、観光に頼ることは間違いなのではないかという気がします。島には学校や病院はあるのか。言及されることはありません。国が5、6年前から使い出した「関係人口」という文言が出てきます。これもちょっと眉唾です。で、落とし所はどこなのだろうと思いましたが、「…熱い思いが飛島の未来を照らします」で終わってしまいましたが。
BGMに頼り過ぎることなく、また変に脚色することなくリアルな島暮らしを追い、飛島の自然の音、生活音も大切にしながら作品がまとめられた印象で、好感が持てました。若者たちの飛島を思う心が静かながらにもしっかり伝わってきて、彼、彼女らにより飛島がこれからどう変わって行くのかを今後も知りたいと思える作品だと思いました。

優秀賞

  作品 秋田人物伝 ~内館牧子~
  応募者 AKITA メディアテクノロジーズ株式会社

トレンディードラマや、連続テレビ小説「ひらり」、大河ドラマ「毛利元就」などの脚本を執筆、数々のヒット 作を世に出してきた脚本家・内館牧子さん。東京を拠点に活躍している内館さんは、1948年、秋田市土崎で生まれ、3歳まで育ちました。番組では、長く「秋田の家は私の原点」と語ってきた内館さんが秋田を訪れ、自らの 原点をたどりました。それは、これまでの仕事の根底にあった祖父の存在を追いかける旅になりました。

寸 評

内舘さんのインタビュー音とBGMの音量バランスが時に音割れが気になる残念な箇所がありました。要所要所のテロップフォローによってお話の内容がわからなくなることがなく良かったです。 心から大切に思う場所でのインタビューだからこそなのでしょうか、内舘さんの人となりが垣間見えるシーンもあり「内館牧子氏」の魅力が伝わる作品だと思いました。
「見ごたえのある中身の濃い人物伝だった。 単なる有名人へのインタビューかなと思いきや、内館牧子という人物を通して、人の生き方を考えさせられる。構成も、よく計算されていて、展開が上手。「私は森の中の一本みたいな気がして私がいなくなっても誰も気が付かない」と気づいたOLが発奮して、自分の生きたいように生きるまでたどりつく展開はダイナミックでもある。祖父のエピソードは彼女の原点であり、ドラマの主人公のような方で、思い起こさせる昔の懐かしい素材も丁寧に集めていた。

優秀賞

  作品 光満ちて龍笑う
  応募者 株式会社トラストネットワーク 平泉慶人

八幡平に「ドラゴンアイ」と呼ばれる絶景があります 春から夏に現れる雪どけの風景で、その様子が龍の瞳にみえることからそう呼ばれています。八幡平で感じたのは「光」です。空でも地上でも要所に意識して撮影しました。 伏線を込めつつ、完成系である「開眼」に向け、期待させるような構成編集にしています。 暗い話題で溢れる世の中ですが、ドラゴンアイのようにいつか光で明るくなればという想いで制作しました。東北秋田の美、身近にあるこの「美」を改めて感じていただければ幸いです。

寸 評

番組の核となる場面、龍の目が形成されていく様子を丹念に追う映像は、視聴者を引きつけるに十分です。BGMも効果的。八幡平ビジターセンター職員のコメント「体長2キロの龍」には想像をかき立てられました。番組終盤、実景の積み重ね、タイムラプスが効果的です。良質な番組でした。字幕で「撮影 編集 平泉慶人」とありますが、ナレーションも平泉さんが書いたのでしょうか。苦労が偲ばれる番組でした。 気になった点。冒頭の広角で撮った街の情景、違和感を感じます。プロローグ明けの喫茶店。ソーダフロートに龍の目をかけているのでしょうが、ちょっとズレているような気がします。そして猫。後半に登場する何かの前振りだと思いましたが、そうでもなさそうです。龍の目に猫の目を重ねるのは無理があります。
猫の目のUPを利用することでドラゴンアイの「開眼」をより効果的に現したかったのかとは思いますが、猫の登場回数は少し多かったかと思います。幾度の夜の経過にしても期待感を膨らます効果を狙ったのだと思いますが、そこまでの尺を使う必要はあまりなかったとも思います。時には強く、時には柔らかく、時には穏やかに違う輝きを放つ「光」に重点を置きながら八幡平の風景を見せていただけるのは嬉しいのですが、ポイントとなる紹介をして下さっているだろうナレーションの音量よりBGMの方が勝ってしまい今ひとつ集中して作品を見られない時があったことを残念に思います。

【 地域振興コンテンツ部門 】

東北経済産業局長賞

  作品 芋煮会発祥の地 山形県中山町
  応募者 中山町観光協会

北の秋の風物詩「芋煮会」。発祥の地は山形県中山町という。 起源は江戸時代、山形県の母なる川「最上川」の舟運に遡る。当時、舟運で運んだ棒鱈は中置で運んだ棒鱈と地場産の里芋を、 船頭達が川岸の松に鍋を掛けて食べたのが「芋煮会」の発祥といわれている。 この歴史と、今も受継がれる「芋煮会」の文化を世界に伝え、多くの人に楽しんでほしい、町の美味い芋煮を食べてほしいとの思いで、地域の方々と制作した。

寸 評

里芋の茎を切るアップ、スローの映像が印象に残りました。このカットはBGMを押さえるべきです。初老の男性が語る「芋煮会発祥の地」とても効果的です。河原の芋煮会で酒を飲む人々。こんな飲み会は久しく体験していません。うらやましい限りです。作品の意図がしっかり伝わりました。但し音の扱いが雑です。
里芋の収穫を丁寧に描写しているオープニングには惹かれた。由来はわかったのだが、何故、牛肉に変わったのか説明してほしかった。ラストの長々とした説明文は基本的には映像には合わない。芋煮会はおじさんの歌と共にいい雰囲気が伝わってた来た。

優秀賞

  作品 山形×和菓子 ~未来を彩る伝統文化~
  応募者 山形市創造都市推進協議会

山形市創造都市推進事業「映像で山形ルネッサンス」は、映像を通して山形の文化と魅力を見直すと同時に、地元映 像クリエイターを支援するプロジェクトです。 江戸時代から続く老舗もあるなど、古くから人々の生活に根付き親しまれてきた山形の和菓子文化。伝統を守りつつも進化を続ける山形の和菓子の魅力について、作り手たちの想いや取り組みを通し伝えます。

寸 評

まずオープニングとエンディングの車のシーン、いるのだろうか。若い女性たちにも受け入れられている和菓子をアッピールしたいのだろうが、全体のトーンとしては如何なものか。 素材にこだわる老舗、創作にこだわる若き職人、そして伝統の和菓子からお酒とのペアリングまで展開した乃し梅職人。あの酒田の名バーテンダーにもつながる抹茶と日本酒と和菓子の組み合わせ。花笠踊りの子供たちと和菓子。ダイナミックな構成に酔いしれた。
冒頭の車中のやり取り、目線が成立していません。後部座席の女性は運転席の後ろに座らせましょう。そうすれば、助手席と助手席の後ろの席にカメラポジションを取ることが出来ます。これで目線は成立。イマジナリーラインを無視してはいけません。  で、狐のお面をかぶって和菓子を作る職人。印象に残りました。効果的だと思います。ただ「パフォーマンス」という言葉が上滑りしています。次のシークエンスの頭で自転車の走りを入れるのはいい構成です。「乃し梅」は上滑りすることなく、地に足を付けて商売している様子が伝わってきました。特に酒場でのやり取りは興味深く拝見しました。その後の3社の繰り返しはちょっとくどい。ナレーションで締めれば良かったのではないでしょうか。さらに「伝承する山形の文化」。木に竹を接ぐといった印象です。違和感があります。

優秀賞

  作品 イワテメイドアパレルプロジェクト2022  ~商品開発ストーリー~
  応募者 株式会社フロムいわて

岩手の縫製工場から生まれたファクトリーブランドについて発信する、イワテメイドアパレルプロジェクトは、各工場の強みを生かした自社ブランド商品を開発・販売し、高い技術力を発信する取組だ。 2020年度6社の縫製工場から始まり 12 の新商品が誕生し、2021年度新たに4社が加わり、各社の強みを活かした新商品を開発した。 この動画では、各商品の開発ストーリーや商品への想い、素材の質感や機能等の特徴を映像で表現している。

寸 評

現場でのブランド担当者へのインタビュー内容は、現場の雰囲気をさりげなく感じさせてくれつつ、担当者の方が語る内容のポイントをテロップでフォローすることで視聴者が理解を深める工夫もされていて良かったと思います。
動くカタログです。会社の方が商品の説明をし、商品を紹介していきます。こういった映像作品をつくりなれた手練れの制作者が抜かりなく仕上げたという印象です。クライアントも満足しているのではないでしょうか。

優秀賞

  作品 『変わるまち、変われるまち、石巻。feat.ジュン』
  応募者 石巻市

映像化が困難と言われた石ノ森章太郎の漫画『ジュン』をモチーフにしたアートアニメーション。東日本大震災から10年、復興した石巻市の中心的観光施設・石ノ森萬画館が開館20周年を迎えたことから、「主人公・ジュンの成長」と「震災から復興へ歩み続ける石巻市」を重ね、「マンガ文化の街・石巻市」をブランド化する内容となっている。復興支援への感謝と「困難にあっても諦めずに前を向く」というメッセージを発信したい。

寸 評

一流の作品になっている。オープニングから引き込まれ、 イメージだけですべてが伝わってくる。ひび割れた時計の針が2時46分から動き出したカットには感動した。 豊饒なイメージには、セリフもナレーション、言葉はいらない。
石ノ森章太郎さんやその作品、アニメーション、東日本大震災の被害からの復興を目指す石巻。良いと思いますし、応援していますし、好きですが、今回の作品からは、感謝や、諦めずに前を向くポジティブさより、悲しさや辛さというネガティブさの方がより強く印象に残ったというのが正直な感想です。

優秀賞

  作品 ふたつの空と With Two Skies
  応募者 福島県国見町

福島県北部に位置する国見町は、桃や柿など果樹栽培の一大生産地の一つです。国見町の地域性をより魅力的に発信し、関係人口の創出や移住につなげるために、国見町を舞台とした短編映像作品を制作しました。図らずも国見町を訪れることになった主人公の“みさき”。都内在住のみさきが、町の風景に癒され、地元の人の温かさに身を寄せるうちに、次第に自分の中の“もう一つの居場所”のように感じていく様子を表現しました。

寸 評

導入部分の温もりを感じさせる国見町の風景は良く、期待感を持ってみはじめることは出来ました。ただ、見進むと、主人公とその先輩がリノベーションをするためのアパートの2階から見た風景を「綺麗」と言い、「この景色が好き」と言っているシーンで、それがどんな風景であるのかを視聴者に共有させてもらえなかったのは何故なのでしょう。タイトルを“ふたつの空”と”with tew skies”としたのは何故でしょうか。・・・と疑問に思う場面が結構出てきて、モヤモヤしたまま作品を見終えることになり残念に思います。 国見町は文化財や特産品の果物の種類も多くあり「コシヒカリとくだものの里」と銘打っている町。国見町が人情味にあふれる自然豊かな住みよい町だということをもう少し主人公を通して感じさせてくれる工夫があると、主人公が国見町を“もう一つの居場所”のように感じて行くことを表現したという作品概要を理解できたかもしれません。
自然体のモノローグ、映像の積み重ね、期待させる作品です。子どものシーンも何が始まるのだろうと身を乗り出してしまいました。ピアノの音楽もとても効果的です。町営住宅のシーンになって「アララッ…」と引いてしまいました。どうもドラマ仕立ての作品らしいということが明らかになります。ノーライトはいけません。地明かりの効果をねらっているとも思えません。撮影技術はしっかりしているのに残念です。そして台詞。つかこうへいバリに口伝か。ラストクレジットには「脚本」がありませんでした。唯一、桃作りの志村さんの台詞にはあらかじめ用意した跡が見えます。

【 CM PRキャンべーン部門 】

大賞

  作品 五光食品株式会社 WEB-CM15 秒「ウマァミーノ」篇・「ギュウーッタン」篇
  応募者 株式会社テレモアドットコム

宮城県の名産「牡蠣」「牛たん」加工品の製造、レストラン経営、お土産品販売、業務卸を中心に展開している株式会社五光食品の産直ギフト商品告知WEB-CM15秒です。合成とアニメーションで楽しく仕上げました。

「ウマァミーノ」篇
牡蠣に紫外線を当て、旨みを凝縮させる独自製法「ウマァミーノ」で農林水産大臣賞を受賞した「かき一夜干し」 をオール世代に向けて可愛らしくPR。ポイントは CMのために制作したオリジナルキャラクターとコマーシャ ルソングで独自製法を歌でアピール。歌詞もリズムもシンプルで覚えやすく子供も口ずさめる内容にしました。
「ギュウーッタン」篇

独自製法「氷温熟成」でアミノ酸等の旨味成を凝縮し、特徴である焼かずにレンジで温めるだけで本場の味を楽しめる「炭火焼牛たん」のCMです。ポイントは旨味成分をギュウーッと表現しオリジナルキャラクターとコ マーシャルソングも制作、CM のウマミを「ギュウーッ」と詰め込みました。レンチンかんたんもアピール。

寸 評

女の子とアニメの組み合わせで「かき一夜干し」良いんじゃないでしょうか。同様に「炭焼き牛タン」も平和な感じでいい塩梅です。罪のないCM、好きです。
楽しい感じで、なにを売っているのかはわかったが、製品の特徴がよくわからなかった。

優秀賞

  作品 の~んびり田舎館(※)
  応募者 株式会社RAB企画

若年層の女性をターゲットにした、青森県田舎館村の観光プロモーションCM。 どこか懐かしい、田園風景が広がる癒しの村を二人の女性が旅する。 歴史、体験、グルメ篇の3タイプ制作。

寸 評

女性2人が田舎館村を散策。ホノボノと素朴なCM、好感が持てました。
3タイプともに「小さな旅を楽しもう」がキーワードのわかりやすいプロモーション作品だと思いました。

優秀賞

  作品 1分でわかるInQrossカイゼンメーカー
  応募者 株式会社フロムいわて

株式会社イーアルアイの製品「In Qross カイゼンメーカー」は、 工場などの作業者の『位置』・『状態』 を簡単にデータ収集して見える化する即時導入可能な屋内位置測位システムだ。「いつ」、「どこで」、「誰が」、「何をしているか」を見える化し、ヒトと場所についての改善活動を可能 にする。 この動画では、金属加工・水産加工を行う工場での利用の様子を撮影し、導入の仕方や効果、製品の特長をグラフィカルに表現している。

寸 評

概要ではかなりややこしい製品のコマーシャルかなと構えていたが、いざ見ると、わかりやすい。意図が明確に出ている。
場面によって説明の文字が見えづらく感じるところはありましたが、人の動きを見える化するこの製品のメリット、特徴等がよくわかる作品だと思いました。

【 学生部門 】

大賞

  作品 スナガニの戻ってきたまち
  応募者 尚絅学院大学人文社会学群 大野ゼミ・山浦航紀・後藤駿也・半澤弥起

東日本大震災から10年余り。甚大な被害のあった名取市・閑上の浜も、次第に日常を取り戻しつつあります。 その一つの「印」がスナガニ。一時はその姿を消していた絶滅危惧種を守っていこうと、地域に根ざした保護活 動や調査、研究が着実に進められています。SDGs と声高に叫ばなくとも、走る、逃げる、潜る、スナガニが当 たり前に生息する浜は楽しさ愛らしさに満ちています。地道で無邪気な「浜に魅せられた人」の姿を追いました。

寸 評

ニュースの特集コーナーを連想させる作品。スナガニの生態、面白く拝見しました。ナレーションも元気があって好感が持てます。撮影、編集ともいい塩梅ではないでしょうか。
なにかほほえましく、見終わると、にんまりとした顔の自分に気づいた。ゆつたりとしたストーリー、ラストの擬人化したすながにの姿はユーモアがあった。それでいて、きっちりと伝えたいことは伝わって来ていた。短い時間にも関わらず豊かな内容だった。

優秀賞

  作品 たそがれ野育園 ―未来の原風景―
  応募者 秋田県立大学 生物環境科学科 田口 雄大   

本作品は、秋田県潟上市のコミュニティファームである「たそがれ野育園」と、農業の新たなあり方に迫ったドキュメンタリーである。田畑で時間を共にする人たちは、農業にどのような意義を見出しているのか。そこには、農業の持つ多様な価値が秘められていた。っまた、その価値の中に、私たちが描くべき未来のヒントが隠されていた。そう、原風景の中に私たちの未来が眠っている。

寸 評

野育園に関わる方々のインタビューの声をピンマイクを使用し明瞭に聞かせてくれることにより、作品に込められたメッセージをしっかり受けとめ考えることができる作品だと思いました。ただ、場面によって、その場の音を消すことなく聞かせてくれてもいいのにと思えるところがありました。種まきや稲刈りなど切り替わる場面にテロップフォローがあることで野育園の活動内容を自然に知ることが出来てよかったと思います。欲を言えば、この野育園の活動に参加されている子供たちの声も聞きたかったです。この活動を通して子供たちにはどんな未来が見えているのだろう。受け継いで行くだろう子供たちのリアルな声があってもよかったのでは、と感じました。
農業を通した生き方の修正が主題の作品です。農業体験を通して生き方を考えようという人たちが集まります。撮影も編集もしっかりした作品です。若干単調ではありますがキッチリ構成されています。

優秀賞

  作品 水 ~潤いの暮らし~
  応募者 尚絅学院大学人文社会学群 大野ゼミ(水口芳乃、小渡歩未)   

地域には「良いもの」が沢山ある。キラキラ光る風景や特産品…。だが、それらはそこに住む地元の人たちの普段の生活に幸を届けているだろうか。本当に役に立っている地元ならではのブランド価値って何だろう?「普 通の暮らし」を彩っているものとは? 山を、田畑を、街を、海を、川を巡って辿り着いたのは「水」でした。取り立てて意識したことのなかった水。 どこにでもあるはずの水。特異な存在ではない水をまっすぐに追いました。

寸 評

1年近くの時をかけてまっすぐに水を追いかけた結果、名取の水の豊かさ、尊さに気がつける人でありたいというのがこの作品の制作者としてのまとめのようだということはわかりました。では、この作品を通して、この作品を目にする人には何か伝えたいこと、感じてもらいたいことはあったのでしょうか。気になりました。
名取を水にこだわって眺めてみたという視点は素晴らしいしい。ゆったりとしたカット割り、構成、観ているこちらも水のありがたさを実感した。 「水は私たちの心を休めてくれた 水の豊かさ 和み尊ぶ豊かさ それらに気づく自分たちでありたい」というこのスーパーが心にしみる。

優秀賞

  作品 つながりの町 名取 ~神社から広がる人の輪~
  応募者 尚絅学院大学人文社会学群 大野ゼミ(千葉萌々花、佐々木紅葉)   

コロナ禍によって又も身動きが取れなくなってしまった2021年。学びは勿論、その他の自由な活動も大き な制約を受けることになりました。そんな中、ふとしたことから大学の近くにある熊野那智神社に関わる人たち の存在を知った私たちは、その「小さな活動」を取材することにしました。名取市を眺めるように佇む神社には、 手を取り合いながら地域を盛り上げている人たちが集っていました。 普段の暮らし、小さな動きを追います。

寸 評

熊野神社で展開されるマルシェ、音楽イベント、社務所での個展。そしてセリ農家を紹介。広く浅く名取を紹介した作品です。撮影も編集もインタビューもナレーションもそれなりにしっかりしています。しかし肝心の取材が足りません。事前にそれぞれのイベントを調べる必要があります。それぞれの場面が薄味で印象に残りませんでした。
近くの神社の活動、動きを追ったことで気付けたことを、出会いを大切にしながら無理矢理テーマを広げることなく、素直に取材しまとめた作品だと思いました。

特別賞

  作品 お客様は仏様
  応募者 東北電子専門学校 映像放送科 (朝倉早也輝(監督)  髙橋賢斗(脚本))   

「お客様のご要望にはできる限りお応えする。例えそれが…"仏様"からの依頼であっても…」 ウエディングプランナーとして活躍する主人公”明香里”の前に現れたのは高校時代の同級生”誠也”とその婚約者である“沙織”だった。ふたりの結婚式を成功させると約束し奮闘する明香里だったが式を直前に控えたある日、明香里の元へ「誠也の事故死」が告げられる・・

リーフレットデザイン 優秀賞

  東北電子専門学校 デジタルデザイン科 2年 早坂 ひなき

 たくさんのご応募ありがとうございました。